“しお!シオ!しお💗“うるさいおばさんができあがるまでのハナシ 其の壱

むかーしむかし、
あるところに、ひいじいちゃん・ひいばあちゃんと暮らす、昭和のこどもがおりました。

ひいじいちゃんは、しゃきっと体格のいいいかにも明治の剛毅なおじいちゃん。
(頑健な様子をひいばあちゃんは「じいちゃんの身体はドイツ製やけん!」と言ってたそうです。どういうこっちゃw)
ひいばあちゃんは、お料理上手。
明治育ちのばあちゃんは、読み書きはあまりできず、書くのはカタカナ少しと数字くらい。
メモは覚えたら捨てる、いさぎよい人でした。
頭の中にどれほどのレシピが入っていたのでしょう。
とにかく何でも素材からつくってしまう人でした。
おかげで、じいちゃんはばあちゃんの料理がおそらく大好きで、昭和のこどもは、ばあちゃんの傍でいろんな台所仕事を手伝って、育ちました。

三つ子の魂百まで、とは言いますが
この頃の記憶や経験は、今も脳裏に焼きついています。
(ばあちゃんの頭の中にあるレシピがメモに残っていたなら、どんな料理研究家にも負けないんじゃないかと、私は今も思ってます)

歯磨きも“塩”でした。
かわいいいちご味の歯磨き粉も買ってもらいましたが、それは塩壺の横にいつまでもありw
決まって、塩壺からひとつまみの塩を歯ブラシにとり、ばあちゃんと歯磨きして、床につくのが日課でした。
あの頃の塩は、からすぎなかったのです。不思議です。

昭和の娘は小学生頃から、ひいじいちゃん・ひいばあちゃんの家ではなく、棟続きの父母と弟と寝起きし、それでも日中は可能な限りひいばあちゃんと過ごすようになりました。
いつしかいちご味の歯磨き粉を使い、なぜならその頃から、塩みがきは辛くてツライと思うようになったのでした。
今になって思えば、買い求める“塩”が変わったのかもしれません。
※塩が専売化されてしばらく、の時代と一致しますね。そういうことなのか、記憶はありませんが。

ひいじいちゃんは、「お醤油」の卸と小売の店を営んでいました。
ひいじいちゃんがこの世を去って、お醤油屋さんを畳んだ後、お得意先だった地域の飲食店の評判が下がる声を口々にきいて、[じいちゃんのお醤油じゃなくなったもんな、、、]と思ってました。
うちのご飯も、在庫の醤油を使い尽くした頃から、母が手頃なお醤油で何とかやりくりしていたのを覚えています。
母も料理上手ですが、お醤油がかわると同じ人がつくっても料理の味ってかわるんかな、、、とうっすら思ったものでした。

ひいばあちゃんは、毎年、家族親戚数家族が一年食べるお味噌を、大量に仕込んでいました。
造り酒屋さんに麹菌を買いにいき(意味わからずついて行ってた)、大量の大豆をつぶすためにミンチ機みたいなのを借りにいき、材料諸々用意して、道具もせっせと準備して、大量の糀を仕込むところから、わけもわからず言われるままに手伝ってました。
残念ながら、糀をおこす行程については細かな記憶がありませんが、もろぶたが几帳面に毛布やおふとん着せられて、土間の台所が毎年不思議な景色だったことは、忘れられぬ記憶です。

ひいばあちゃんがこの世を去って数年後、“ばあちゃんの味噌”がついに底をつき、それからが、さあたいへん。
市販の味噌屋さんには申し訳ないけども、
まぁ味噌が口に合わず、“慣れるまで(我慢できるようになるまで)“罰ゲームの毎日な気分でした。

塩、味噌、醤油。

いやや、と思うものが、この大切な三点であるならば、まぁご飯の味が、、、イマイチつらい、、、。

母もまた、同じ人(ひいばあちゃんは母の祖母)に育てられた経緯があり、私以上にばあちゃんの暮らしが深く染み込んでいるのですが、時代の変化とともに手に入るようになった“便利なもの”も食に適度に取り入れ、得意な料理を母の味に変化させていったのでした。

私は更に、ひいばあちゃんから「こういうのは“毒”やから食べたらいかん」と教わってたものを、進学で家を出た後に“もの珍しさで”食べまくり、ものの見事に健康を害し、アレルギーが出たり、(風邪薬や痛み止めも蕁麻疹出るので飲めない)病気したりの、不健康女子になる始末。




やがて、食べるもので損なった身体は、食べるもので治すしかないんかな、、、と思い始めたのでした。
とはいえ、結婚し、子どもを授かった後も、いそがしすぎると、食への手間は後回し。
自戒と甘えの境界をいったりきたりした後、
気がつけば探していたのは
『よいお塩』でした。

何にならったわけでもなく
なぜここに意識が向いたのかも
いまだによくおぼえてはいません

ただ
経済的に手の届く範囲で
美味しいお塩がつかいたい

そう思っていたのでした。


とりとめもない長話
写真すらないけどつづきます

(つづく)

和~nodoka~ 食と暮らしの 小さなお店

食べることは生きること。 日々の暮らしを たいせつに。 おうちでできることを たいせつに。 ちょっとだけ見つめて ちょっとだけ氣をつけて ちょっとだけゆっくり ちょっとだけよりよく心地よく そんな暮らしをご提案したいと思います。

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